年末に「赤いペガサス」読んだので紹介

赤いペガサス (1) (小学館文庫)
赤いペガサス (1) (小学館文庫)/村上 もとか
私がF1オタになってから少しして、パパンが「いい漫画があるから探しておいてやる」と言っていました。何の漫画だ、グラ天だったら笑えると思いつつフーンと返事をしておいたのですが、この間帰省した時に「ハミルトンみてえな奴が出る漫画だから」と渡されて読了。連載してた時に大好きで読んでて、文庫になって出たのを大人買いしたそうです。
簡単に言うと、GTで観客を巻き込んだ事故を起こして引退した日系英国人の赤馬研(ケン・アカバ)が、日本製マシンに乗ってF1参戦1年目でタイトルを取る話なんですけど(端折りすぎたか)、なんとこの漫画、フェラーリにマクラーレンにティレルは出るわロータスは出るわ、おまけに実在の人物がほいほい出る(そして事故る)わで大変なことになっている漫画だったのです!
出てるのは、ニキ・ラウダ、マリオ・アンドレッティ、フィッティパルディ、パトレーゼ、そしてキミたんのヒーロー(?)ジェームス・ハントなどなど。星野さんも出てたと思う。もちろんバーニーも出る!何これこんなことやっていいのぉー?!と驚きっぱなしです。
このケンというのが、ボンベイ・ブラッドという世界で数人しかいない特殊な血液の持ち主で、同じ血をもつ妹のユキちゃんが「血液銀行」としてレースに帯同してるのね。ケンもユキもただの兄妹以上の感情になってしまって…というラブ要素もあり。終盤はユキちゃん以外の手段による輸血の体勢が整ってきて、それと同時に彼女はケンのチームメイト・ぺぺに惹かれていき、結婚するんだけど。
とにかく(特に前半は)人が死にまくる漫画です。ケンのチームメイトなんて2人も死んでるし。ケンも何回も死にそうになるんだけど、その輸血用の血液を公道でF1ぶっ飛ばしてリレーするという話が一番強烈です。今のメンバに例えると、たぶんキミが「乗っていけ」と言ったレース用にセッティング済みのMP4-20に眉毛が乗って飛行場から走りまくり、エンジンが焼き付いてあわやここまでと思った時に、病院側の方からそれを予想してたニックがFW27でやってきて、血を受け取ってリレーするみたいな感じ。
「ねーよwww」と思ったのは、「ちょっと飛ぶ」コーナリングみたいのが出てくるところと、↑の公道輸血リレーでトラックみたいなのを飛び越すとこです。あと、ケンが最後尾スタートになってしまった時、横のグリッドだったフィッティパルディが「一緒に行くぞ!」って二人でチームプレイをしつつポジションを上げるエピソード。RB2に乗った先生か、ザウバーに乗ったジャックか、RA106に乗ったバリチェロあたりってとこでしょうか。ジャック以外はチャンプ経験ないからアレだけども。
一人目のチームメイトが死んで、新しい子が入ってくるんだけど、それがまたハミルトンとマッサとスコット・スピードとモンちゃんを足して割ったような子で(伝わりますか?)、でもいい子なんです。彼がぺぺで、ユキちゃんと結婚するんだけど、終盤ぺぺはヘルメットをきちんととめていないまま大クラッシュしてしまいます。担架担架!ってなる周りをよそに「平気平気ー」って戻ってきて(ここで私は死亡フラグを感じた)、ユキちゃんと呑気に話したりして、数時間後に倒れて帰らぬ人となります。これを読んで私は、クビカのクラッシュがあれだけ心配されたのが腑に落ちました。同時に、モンツァのキミが今更心配になりました。無事でよかった。
最後にケンはチャンピオンになるんだけど、ユキちゃんのお腹にはぺぺの子がいて、2人で育てよう、ってことになって終わります。SVEチームというのがケンのチームなんだけれど、オーナー(監督だっけ?)は事故で車椅子でフランクっぽいし(この漫画の方が先?)、マシンが1シーズンで4スペック投入されるんだけど(多いな!)、旧車、SV01、の次が「SV01改」だったり(Bじゃないんだ!マク式だとSV01B、ってなりますよね)、デザイナーのおっさん(でもやってることはニューエイ先生+ロスブラウン+クリスダイヤー)がいい味出してたりと、色々と読んでてニヤニヤする漫画でした。
って、こんな小娘が感想書いていいのかな。と思いますが、おうちにある方がいたら読んでみてください。

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