セーフティーカーのレギュレーションを調べるお! その2

7月7日にINTERNATIONAL SPORTING CODEのAppendix Hが改版されて、SAFETY CAR PROCEDURESの章に変更がありました。そんな附則あったのね!
ということでそっちもいってみました。がしかし、決勝スタートの前に川井ちゃんが言っていたルール変更はどこにも書いてない…120%ルールとかってどこに書いてあるんだろう???
思ったよりレギュレーション萌えしていることに気付いたので、引き続きたらたらと調べていければなーと思っています。
※F1のsporting regulations部分についてはこちらの記事をどうぞ。こちらは6月23日以来改版されてないです。

APPENDIX H TO THE INTERNATIONAL SPORTING CODE
Recommendations for the supervision of the road and emergency services
2.9 SAFETY CAR PROCEDURES (EXCEPT FOR FIA CHAMPIONSHIPS WITH SPECIFIC REGULATIONS)

2.9.1
コースのClerkの決定で、以下の目的のためにsafety car(訳注:以下SC)が導入される可能性がある:
– コンペティターまたはオフィシャルが、差し迫った身体的危機にあるが、レースを止めることは必要としていない状況の場合、レースを制圧(neutralise)するため
– 例外的コンディションでレースをスタートするため(例えば悪天候)
– ローリングスタートの速度を整える(示す)ため
– 中止されたレースを再開するため

2.9.2
SCプロシージャが使用されるサーキットで、2つの連続した20cm幅の “Safety Car Lines”(訳注:以下SCライン)が、滑らないペイントを用いてマークされるべきである。トラックと、ピットエントリーの出入り口の端から端を横断し、トラックのセンターラインに対して垂直に、以下の場所へ:
– SCライン1: ピットに入るクルマが、SCあるいはトラックに残っている他のクルマをオーバーテイクするのを許可するのに、合理的であると考えられるポイント。これはまた、競技に参加しているクルマが、介入を終えてピットへ入るSCを追い越しできるポイントである。
– SCライン2: ピットを離れるクルマが、競技に参加している他のクルマと同じスピードで移動しそうなポイント。従ってトラック上のクルマは、ピットを離れたクルマがこのラインに達するまでは追い越してもよい。しかし、以後は追い越しが起こらないかもしれない。
– 1台以上のSCがいるときは、Intermediate SCライン: 競技に参加しているクルマが、干渉を終えてintermediateポジションに戻るSCをパスできるポイント。

2.9.3
SCは、レースナンバーと同じ大きさの文字で、リアとサイドに”SAFETY CAR”と表示しなければならない。1つ以上のはっきりと見えやすい黄色またはオレンジライトを屋根に、グリーンライトをリアに持っていなければならない。双方のパワーは異なる電気回路からのものとする。SCは経験豊かなサーキットドライバーにより運転される。全ての競技参加車を承認でき、レースコントロールと常に無線連絡ができるオブザーバーを乗せる。

2.9.4
7km以上のサーキットを除き、1度のオペレーションには1台のSCが使用される。サーキットのintermediateポイントに置かれる他のSCは、FIAによって承認される可能性がある。1台以上のSCが承認された場合、以下の要求事項が適用される:
– 各SCのスタートポジションと撤退ポジションは全てのドライバーに通知されなければならない
– グリーンライトは、撤退ポジションを過ぎてから、レース制圧ポイントの終わりを定義するために点灯され、ドライバーに提示される

2.9.5
レース開始時間の30分前、SCはグリッドのフロントにポジションを取り、5分前のシグナルが与えられるまでそこにとどまる。適切なチャンピオンシップ/イベントのレギュレーションが、15分間のフリープラクティスセッションを認めた場合、SCはセッションが終わり次第、グリッドのフロントにポジションを取る。

2.9.6
5分前のシグナルが与えられたら(2.9.18章の状況下を除く)、SCはスタートする?
When the five-minute signal is given (except under Article 2.9.18 below) the safety car will take up its position.

2.9.7
1台以上のSCが使用される場合、1台は2.9.5章と2.9.6章に従って進行する。他のSCは、レース開始時の15分前にintermediate positionに進む。

NEUTRALISING THE RACE [レースの制圧]
2.9.8
SC配備命令が与えられたとき、全てのオブザーバーポストは、介入期間中、振られる黄色の旗と、”SC”、ボードを提示し、Lineにてオレンジライトを点灯する。

2.9.9
SCはピットレーンからオレンジライトを点灯してスタートし、レースリーダーがどこにいるかは関係なくコースに合流する。

2.9.10
競技に参加する全てのクルマは、SCの後ろで5台分以上の間隔を空けずに列を形成し、以下の例外を除いては、SCがピットに戻った後、クルマがLineに到達するまで(あるいは次のレース制圧終了ポイントまで)追い越しが禁止される。追い越しは以下の状況では許可される:
– クルマに対して、SCが(追い越しを)するように示した場合
– 2.9.18章の状況下
– ピットに入ったクルマは、SCライン1を通過した後、他のクルマあるいはSCをパスしてよい。2.9.2章参照
– ピットを離れたクルマは、SCライン2を通過する前までは、トラック上の他のクルマから追い越されてよい。2.9.2章参照
– SCがピットに戻るとき、またはintermediateポジションに戻るときは、SCラインを通過したら、トラック上の車から追い越されてよい
– SCがピットレーンを使用している間に、指定されたガレージエリアに止まっているクルマ(2.9.14章参照)は、追い越されてよい
– 明確な問題によってスロー走行している

2.9.11
不必要にスロー走行している、定まった進路をとらない、SC配備中に他のドライバーに対して危険であると考えられるマナーで走行しているクルマは、スチュワードに報告される。これはそのクルマが、トラック・ピット入口・ピットレーンのどこでそのように運転していても適用される。

2.9.12
コースのClerkによって命令されたとき、SCに乗っているオブザーバーはグリーンライトを使用して、レースリーダーとSCの間のクルマに、パスすべきであることを知らせる。これらの(通知された)クルマは、SCの後ろで、ラインに到達するまで、追い越しなしで減速したスピードを続ける。
SCは、電気的にコントロールされ、レースリーダーの番号を表示するリアパネルをもっているかもしれない。それが示された時、番号が表示されたレースリーダーを除くクルマは(SCを)パスする。

2.9.13
SCは、少なくともラップリーダーが(SCの)後ろに来るまで、かつ、残りの全てのクルマ(または、1台を超えた台数のSCがある時は、そのSCのセクター内にいるすべてのクルマ)がリーダーの後ろに一列に並べられるまで、使用される。
一度SCの後ろについたら、レースリーダー(またはそのセクターのリーダー)は、車間距離を5台分以内に保たなければならない(2.9.15章の場合を除く)。そして、残りの全てのクルマは、フォーメーションを可能な限りタイトに保たなければならない。

2.9.14
SCがオペレーション中、コンペティションに参加しているクルマはピットレーンに入ってよいが、ピットレーン出口のグリーンライトがオンになっている時のみ、トラックに合流してよい。グリーンライトは、SCとそれに続く車列が通過しようとしている時、またはピット出口を横切っている時を除き、常に点灯される。トラックに合流するクルマは、SCの後ろの車列の最後尾に到達するまで、適切なスピードで進行しなければならない。
特定の状況下においては、コースのClerkはSCに、ピットレーンを使用するように要求するかもしれない。このケースでは、SCのオレンジライトは点灯されたままで、全てのクルマが追い越しなしでピットレーンへ続かなければならない。この状況でピットレーンに入った全てのクルマは、割り当てられたガレージエリアでストップを行ってもよい。

2.9.15
コースのClerkがSCを呼び戻すとき、オレンジライトは消される。これは、そのラップの終わりでSCがピットレーンに入るという信号である。この時点で、SCの後ろの車列の先頭のクルマはペースをdictate(命令)してよい。そして、必要に応じて、SCからの車間距離を5台分以上に開いてよい。SCがピットへ戻る前の事故の可能性を避けるために、点灯していたSCのライトが消された時点から、ドライバーは、不規則な加速・ブレーキング、あるいは他のドライバーを危険にさらしたりリスタートを妨げそうな行為を含まないペースで進行しなければならない。SCがピット入口に接近したら、オブザーバーポストの黄旗とSCボードは下げられて、代わりに緑旗を振り、Lineとレース制圧が終了する地点においてグリーンライトが点灯される。これらは最後尾のクルマがLineを超えるまで提示される。

2.9.16
SC配備中に完了したラップは、レースラップとしてカウントされる。

2.9.17
SC配備中にレースが終了する場合は、SCは最終ラップの終わりでピットレーンに入り、クルマは通常通り、追い越しなしでチェッカーフラッグを受ける。
SCがピット入口に接近したら、オブザーバーポストの黄旗とSCボードは下げられて、代わりに緑旗を振り、Lineとレース制圧が終了する地点においてグリーンライトが点灯される。これらは最後尾のクルマがLineを超えるまで提示される。
1台を超えた台数のSCがいるケースでは、これら(黄旗とSCボード)は完全に同時のタイミングで下げられなければならない。

STARTING THE RACE BEHIND THE SAFETY CAR [SC先導でのレーススタート]
2.9.18
特別な状況では、レースはSCの後ろでスタートされるかもしれない。このケースでは、1分前シグナルの前はいつでも、オレンジライトが点灯される。これはドライバーへの、レースはSC先導でスタートされるとの合図である。グリーンライトが点灯されたとき、SCはグリッドの全てのクルマの前に、車間距離5台分以下で残る。フォーメーションラップは行われず、グリーンライトが点灯した時にレースはスタートする。
1周目のみ、グリッドポジションを離れるときに遅れて、その後ろのクルマが、フィールドに残っている者を過度に遅らせることなくパスするのを避けられない場合、追い越しは許可される。このケースでは、ドライバーはオリジナルのスタート順を再確立するためだけに追い越しをしてもよい。
SC後方の車列の最後尾のクルマがピットレーンの出口を通過したらすぐに、ピット出口の信号はグリーンに変わる。ピットレーン内にいるどのクルマもトラックに入って、SC後方の車列に合流してよい。
もし残りのクルマがLineを通過した後で動かなかった場合、グリッドを離れるのが遅れたドライバーは、他の動いているクルマを追い越しをしてはならない。また、グリッドを離れるのが遅れたドライバーは、SC後方の車列の後ろで隊列を作らなければならない
1人以上のドライバーが影響を受けている場合、彼らはフィールドの後方で、グリッドを離れた順に隊列を作らなければならない。スチュワードの意見によって、1周目に必要以上に他のクルマを追い越したどんなドライバーにもペナルティが与えられる。

2.9.19
SCは、Code 91章に従ったローリングスタート時の、オフィシャルカーとして使用されるかもしれない。このケースでは、スタートが与えられた後に、(SCが)SCとしての機能を再開するまで、スタートについて定めた附則レギュレーションが適用される。

RESUMING A SUSPENDED RACE [中止されたレースの再開]

2.9.20
SCは、レッドフラッグラインの後ろの車列の先頭でドライブされる。
レース再開のためのコンディションは、FIA General Prescriptionsまたは、チャンピオンシップ・シリーズ・イベントの特定のレギュレーションで明記されるものとするが、以下が適用されるべきである:
– マーシャルは、レースコントロールによって示された順番でクルマを並べる
– レッドフラッグラインとリーダーの間のクルマは、オーバーテイクなしで、更なるラップを完了するように合図される。そしてSCの後ろの車列に加わる。
– 少なくとも再開時間の10分前に警告が与えられる。
– シグナルは、再開の前に適切な間隔で提示され、音声での警告を伴う。

レースは、2.9.18章のプロシージャとコンディションに従って、SCの後ろで再開される。レースの無効化に関する全ての章が適用される。
SCは、全車がSCの後ろでまだ整列していない場合、または、レースコントロールがレースを再開するのに安全でないと考えた場合を除き、1ラップでピットに入る。

いじょうです!
今回の変更は↓

セーフティカー規則が変更に。バレンシアの問題を考慮
今回のミーティングにおいて、セーフティカー出動の際にはピットレーンを完全にクローズするという案は採用されなかったものの、ドライバーたちはこれまでよりも低速で走行しなければならないことに決まったと、autosport.comが伝えている。これまではセーフティカー出動時にはフライングラップの120パーセント以内で走行するよう定められていたが、今後はセーフティカーと同じスピードで走行しなければならなくなる。これにより、ドライバーがセーフティカーをオーバーテイクする行為を防ぐ。
バレンシアでは、セーフティカーがラップ終盤で出動したために規定のタイムを守れなかったと主張するドライバーたちが何人かいたことから、ラップ最後の200メートルに関しては規定の速度を守らなくてもいいと定められる。
また、ペナルティ決定の遅れを防ぐための対策もとられることになったと、motorsport.comが報じている。バレンシアではレースディレクターがマーク・ウエーバーのクラッシュへの対応が終わった後に、スチュワードに対してハミルトンの違反についての調査を求めたためにペナルティが決定するのが遅れたが、今後はスチュワードに調査の依頼が即時になされ、レースディレクターがアクシデント等の処理に集中するのと並行して、スチュワードは審議を行う。
また、証拠を残すため、セーフティカーライン1と2にカメラを置いて記録する。さらに、ドライバーがラインに気付かなかったと主張できないよう、セーフティカーラインのコース脇にはマーキングを設置するという。

どのファイルのどの章に手を加えたのか書いてくれればいいのに…orz

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