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Diffuse Axonal Injury

前F1ドクターの @Former_F1doc ことDr.GARY HARTSTEINのポストです。医療用語が全くわからないので、その辺りの不適切な訳があればご容赦ください。

Diffuse axonal injury
OCTOBER 7, 2014 / GARY HARTSTEIN
“重篤な(severe)”頭部外傷について話すときは、日曜日に言及したように「臨床的な」分類について話すことになる。それはグラスゴー・スコアが、怪我が何であるかを考慮することなしに割り当てられることを意味する。目、言語、運動機能。

これまで、血腫についてかなり多くのことを話してきた。脳を守っている膜の外側にできる血溜(硬膜外血腫)、膜の中にできるもの(硬膜下)、膜の下にできるもの(くも膜下)、脳自身の中にできるもの(脳内)。血腫は、頭蓋内圧を高める(これについては以前の投稿を参照)こと以外にも、脳組織に圧力をかけることによってダメージを負わせる。

怪我が何なのかを診るために患者にCT検査を行うとき、昏睡状態の患者がスキャンでは驚くほど「普通に」見えることに、我々医師は驚くことがある。スキャン結果が、集中的な神経外科病変(たとえば痣や血腫)を伴わない腫脹を示す時は「びまん性軸索損傷」- DAIを考える。
これが起こることを我々医師は忌み嫌う。患者が深刻な昏睡状態であることの特徴だから…。

少し詳しく見ていこう。

DIFFUSE:
定まった場所で起こると定義されている血腫とは異なり、DAIは特定の損傷箇所を示さない。これはもちろん良くない知らせだ。患者の兆候の組織化を排除したり、リハビリを困難にするためだ。

AXONAL:
軸索とは神経細胞のケーブル様の部分だ。神経伝達を高速に行うために、軸索は絶縁されたケーブルになっている。脂肪の膜で覆われ、白っぽくなっている。軸索をたくさん集めると白質ができる。神経細胞(ニューロン)の細胞体は灰色がかっている。神経細胞体をたくさん集めると、灰白質というわけだ。

DAIは脳の白質にダメージを与えると考えられている。すなわち、ケーブル、伝達。これもまたよくない。ケーブルが様々な脳の部分を中継することによって(例えば視覚と聴覚というように)、高レベルの情報処理を実現しているからだ。私は人が話しているのを「見ながら」、話している内容を「聞いている」。実はこれは、私の脳が情報を融和させ、私が持っている「人が話している」という経験と結合させている。そのような処理は、DAIによって容易に妨げられてしまう。

これは少なくともまず初期には、脳の腫れと大きく関係している。興味があれば1月と12月のICP(頭蓋内圧)に関する投稿を参照していただきたいと、私は皆様にお願いしなければならない。あの時とは違う、またもう一人の私達の仲間のための、この説明を再び繰り返す勇気が私にはない。何ということか。

DAIは通常、予後はよくないものと予測される。しかしジュールは若く強い。そして素晴らしいチームのケアを受けている。
さあ、ジュール。頑張れ。
C’mon Jules. Go for it.

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マラネロでおしごと

新しいフェラーリの発表会?でルカ様と一緒のお仕事だったようです。ついでに(?)シミュレータ作業、あとはファクトリーをうろついたりした模様

フェラーリに移ってよかったことはスーツ仕事がまた増えたことだよね…♥

Kimi-LaFerrari: lift off!
Maranello, 12 February – キミ・ライコネンは跳ね馬との二度目の冒険に際して、以前よりももっと多く関わりを持とうと計画しているのを証明するかのように、より頻繁にマラネロに姿を現すようになっています。

今日のキミのスケジュールは、バーレーンテストに向けてのエンジニア達とのミーティングと、F14Tのコクピットにおけるドライビングポジションの調整でした。

キミが見たかったのはレースカーだけではなく、マラネロで作られる車両の真髄を表したロードカー、La Ferrariをドライブして一日を終えました。キミはそのスーパーカーに乗るとすぐに快適さを感じていましたが、フィオラノでそのパフォーマンスをテストするには十分な時間はありませんでした。キミはマラネロをホームのように感じているので、それは次の機会になるでしょう!

Simulator work and a factory stroll for Kimi
Maranello, 13 February – キミの二日目のマラネロ滞在は、一日のほとんどをシミュレータ作業をして過ごし、2月19日から始まるバーレーンでの二回目のテストで、F14Tに乗り体験する予定のコンディションをシミュレーションしました。

作業の休憩の間に、キミは何年かぶりとなるファクトリーの中を歩いてみることにしました。8気筒と12気筒車の生産ラインから、エンジンの組み立てを行うエリア、そしてスタイリング(装飾)センターを訪れました。キミは車の技術的な面に常に興味を持っており、将来のフェラーリについて、製造面やスタイリングのアイディアについてたくさんの質問をしました。2007年にスクーデリアでタイトルを獲得したキミは、周りに集まってきたたくさんの従業員と写真を撮りました。断れないサインのリクエストの他には、2007年の偉業を再び繰り返してと熱心にお願いされていました!

一方こちらは既に移動を開始したようであります。来月の今頃はフリープラクティスかー!
https://twitter.com/NicoHulkenberg/status/433937342743990272

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ノーズ自習②:185mmの謎(私なりに解決)

「改定の狙いは何だったのか」ってことと、おぐたんの昨日のツイートを見ながら考えたら、なんとなーーーーく納得しました。

http://twitter.com/SidOgura/statuses/428180663464771584

「醜い」「変な形」ばっか言われているのを見るとなんかつらいから、しょうがなく(あるいは良し悪しは別で戦略的に考えて)この形になったんだってことをなんとか伝えたい!です!
長いけど読んでネ。
(前編はコチラ)

まず、昨日「テクニカルレギュの根拠がわからない」って書いたんですが、なんと@ScrabsF1 神から答えてもらいました…神ありがとう。

185mmって本文中に二か所しか出てこなくて、ここじゃないのでは?って思った理由はピンクになってなかったからなんだけど、考えてみたら「前の版」との差分がピンクだもんね。2013年との差分じゃないもんねorz しかも「サバイバルセル」のこともわかってなかった。
あほでしたー。

その15.4.3を読む前に「基準面」を理解しておかないと話がしっくりこないと思いますので書きます。私、”reference plane”(基準面)は地面かと思ってたんだけど、Drawing 7(PDFの81ページ)をご覧になってください。

どこwwwww
このファイルを”reference plane”で検索してみるとわかりますが、definitionがないわけですよー。そもそも「地面」っていうのもどう定義すんだって話だし。。。
一般的には「車体の底の一番低い部分を指す」っていうのが通説みたい。

この「基準面てどこ」問題はテクニカルレギュを齧り始めた人がしばしばぶつかる問題であるらしく、ぐぐってみると色々なフォーラムで取り上げられています。

このフォーラムのScarbsさんはおそらく@ScarbsF1 神だと思うんだけど、

Ciro Pabon
I think this is an excellent question. It’s not in the definitions. You only have this as an approximate definition: 

3.12 Bodywork facing the ground:
[2014年仕様は
With the skid block referred to in Article 3.13 removed all sprung parts of the car situated from 330mm behind the front wheel centre line to the rear wheel centre line, and which are visible from underneath, must form surfaces which lie on one of two parallel planes, the reference plane or the step plane. 
(…) The step plane must be 50mm above the reference plane.]

So, my interpretation is that the reference plane is the lower plane of the car facing the ground, which, by 3.12.1 must be a flat surface.

Ciro:
いい質問だと思う。明確な定義が書かれてないからね。このぼんやりとした定義があるだけだ。
3.12.1 スキッドブロック(3.13章参照)以外、フロントホイールセンターラインとリアホイールセンターラインから前後330mmの箇所に取り付ける全てのパーツは、下から視認すると、基準面あるいはステップ面という二つの並行した面のどちらかの上につけなければならない。(中略)ステップ面は、基準面より50mm上方でなければならない。

だから、基準面というのは車体の底の面のことだと思う。3.12.1の面はフラットな面に違いないから。

Scarbs
The reference plane is indeed the part of the floor, that the planks attached to, i.e lowest part of the car (plank excluded). this is the part of the of the car that is used as a datum for all other measurements. 
the upper section of floor flanking the central reference plane os the “step” plane.

Scarbs:
基準面はまさに、フロアの一部だ。底板が付けられているところ、すなわち、底板を除いた、クルマの一番低い部分だ。全ての測定値のためにデータとして使われる。
中心の基準面の側面に位置しているフロアの上部が「ステップ面」。

というようなことで、まあざっくりと「車体の底の部分」って思っておけばいいでしょうか。

そしたらさ、例えば、
ミッドランドの車体の底が地面から5cmのところだったとするじゃん。そしたらノーズの高さは185mm+50mmで235mmでしょー
ジャガーの車体の底は地面から6cmでした、したらノーズの高さは185mm+60mmで245mmじゃん。ジャガーの方がノーズの位置高いじゃん。
みたいなことになるべや。

って思ったんだけど、「車体の底からの高さ」は各チーム一定になるわけで、極端に車体の底が低かったりするチームとかいないでしょ、各パーツの高さは色々と規定があるから、それに合わせて車体を作ると、底は大体同じような位置になるでしょ、っていうことなんだろうなー。だから「底がたわむ」とかなると「基準面」があやふやになって、文句言われるんですねーきっとね。

で、Scarbs神に教えてもらった15.4.3のセクションBです。
※サバイバルセルとは、Drawing5をみるとわかりますが、いわゆるコクピットと、燃料タンクが入っているところ、ノーズをつけるまでの部分です

15.4.3
衝撃吸収構造は、サバイバルセルの前面に付けなければならない。この構造は、サバイバルセルの不可欠な部分ではないが、堅固に取り付けられていなければならない。
この構造は、基準面から525mm以上の高さに位置してはならない。単一の横断面で水平に放射し、その先端から50mm後ろのポイントで、9000mm2以上の大きさがなければならない。更に:
a) この横断面は、基準面から250mm以上高かったり、あるいは基準面から135mm以下の低さにあってもいけない。

b) このセクションの中心は基準面から185mm以上の位置にあってはならない。また、フロントホイールセンターラインからの距離は750mm以下の位置であってはならない。

つまり「サバイバルセルの前面に堅固に付けなければならない衝撃吸収構造」が「ノーズ」のことで、「単一の横断面で水平に放射し」は「横長ににゅーっとした形状」ってこと
で、
a) 135mm+250mmだからノーズの最大の太さは385mmで、
b) 基準面(つまりは車体の底)から185mmまでの高さに中心点がこないといけない。
と。

去年までは「車体の底から550mmまでの高さ」がノーズ中心位置の上限だったのですが、先が185mmの高さに来るよう、ゆるやかにカーブさせたり、斜めにまっすぐ伸ばしたりすることになったんでしょうね。

「2013年から横断面の最低面積が変わってない」っていうのはおそらく「9000平方ミリ以上」のところでしょう。フィンガー状に細くしたチームは、2013年比で高さが伸びた(550mmから185mmになったので垂直だけでも365mmの違いがある)のに、面積があまり変わっていないのだと思います。なぜなら昨日読んだ通り、軽い方が有利だから。

だけど本来ならこの規則の改定の理由は「安全上の理由」だったはずで、高さを伸ばしておけば面積も比例して増えて「衝撃吸収構造」としての役割が増すことを狙ったんだろうけれども、面積の最低ラインを変えなかったことで、フィンガー状に先を細くして伸ばして、この最低面積に近付けようと思ったチームが出たんだと思います。

見た感じだとフェラーリやメルセデスは、2013年と比べるときっと面積は少し多くなってるんじゃないかなー。規定改正の狙い通り。違うかなぁ。

私は大いに納得したんだけれども、「いや、僕俺私はこう思う」って人がいたらぜひ教えてください。

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2014年レギュレーションざっと読み:どうしてこんなお鼻に…??

テクニカルレギュレーションは読まないことにしてるんですけど(意味分かんないから)、どうしてもあのノーズのこと分かりたくて色々と探してました。

結論としては「ノーズの断面積は変わらないまま、地面からノーズ先端までの高さが550mm→185mmになった(んだけど、今までと同じようにノーズの下に空気を通したい)から」なんだけど、「185mm」で検索してもどこなのか出てこないんだよね。。。above the reference planeとかgroundとかいろいろ調べてみたんだけど。。。引き算すると185とかそんなん?

やっぱScrabsさんの解説が一番分かりやすいのかな?と思って読んでみましたが途中で挫折しました。下の方に途中まで載せておくので雰囲気でどうぞ。

まとめるとこんなかんじ↓
・ケータハム型:下部がノーズ構造の本体で上はバニティパネル。フロントウイングはノーズ(下部)に直接ひっつける。

・大パイロン型:ノーズ構造の本体は上部で、フロントウイングをマウントする両端のパネルがある。

・小パイロン型:フロントウイングをマウントするパネルが小さい。

・ニューエイてんてーによる回答: キールノーズ

おかしなことになっている組は「下に空気をいっっぱい通したいんだってば!」派だってことですね。なんとなく納得しました。

http://twitter.com/SidOgura/status/428180663464771584

レギュレーション全体の変更についてはformula1.comにまとまっていましたのでこれを読みました。全文読めたら読むと思うけど訳さないかも。

2014 season changes

Power – 最大15,000rpm, 1.6Lのターボエンジンになる。V8は750bhp(制動馬力)以上あったが、2014年のユニットは600bhp程度で、ERS(Energy Recovery System)のパワーがそれに加わる。

Gearbox – ギアボックスは以前の七つを超える、八つのレシオがあり、各チームはそれをシーズン前にノミネートしなければならない。

Energy Recovery Systems (ERS) – 2014年から、各車のパワーは、パワートレインとパワーユニットを形成するエンジンとERSから供給される。ブレーキング中にエネルギーを生み出すように、ERSユニットは、エンジンのターボチャージャーから生じる余剰の熱を使用してパワーを生み出す。80bhp(制動馬力)をもって1ラップあたり6秒をドライバーに与えていた以前のKERSとは異なり、2014年のERSは1ラップあたり約33秒、160bhpを生み出す。ブレーキング中に生じるパワーを補償するために、チームには電気的リアブレーキコントロールシステムの使用が許可されている。

Fuel – 燃料効率の向上のため、2014年以降、燃料は1レースあたり100kgに制限される。以前は燃料は無制限だったが、各チームは1レースあたり約160kgを使用していた。

Minimum weight – 2014パワートレインの重量が加算した分を補償するため、ミニマムウエイトは642kgから690kgに変更された。

Exhaust – 従来は二本のテールパイプが使用されていたが、2014年レギュレーションでは上方に曲げられたシングルテールパイプの使用を義務付ける。排気の流れが空力的効果を生み出すために利用されること(※ブロウンディフューザー)を防ぐためである。加えて、テールパイプより後方にボディワークが置かれてはならない。

参考: STR9

Nose height – 安全上の理由により、ノーズの高さが変更となる。最大の高さは185mmである。(従来は550mmであった)

Front wing – フロントウイングは、幅が1800mmから1650mmに変更されたために少し細くなる。

Rear wing – リアウイングもまた2014年からは見た目が変わる。従来は合法であった、下方向に向けたウイングは非合法となり、メインフラップは、側面から僅かに浅くなった。しかし支持柱は許可されている。DRSスロットも2013年より大きくなる。

Testing – 2014年はシーズン中のテストが再び実施される。レギュレーションに制限された形式で、今シーズンにレースが行われるサーキットにて、連続した二日間を超えない四回のみ。風洞テストとCFDシミュレーションについては規制が増やされる。

Points – 最終レースにはダブルポイントが与えられる。チャンピオンシップへの集中を最後まで高めるためである。

Driver numbers – ドライバーは自身のナンバーを2-99から選択することを求められる。この番号はF1チャンピオンシップのキャリア中ずっと使用される。1はワールドチャンピオンのための番号である。複数のドライバーが同じナンバーを選択した場合、前年の順位が高い方に優先権が与えられる。ドライバーナンバーは、車両のフロントとドライバーのヘルメットに明確に提示されなければならない。

Additional Friday practice drivers – 私達は金曜日のFP1にてレースドライバーが一人、テストドライバーと交代するのを見慣れている。しかし2014年以降は、金曜日のセッションに限り、車両は二台までだが、ドライバーは四人まで走らせることができる。

New penalties – レーススチュワードは、小さな違反に対して適用する5秒加算ペナルティという選択肢を手に入れた。加えて、スーパーライセンスの期間である12か月の間に、ペナルティポイントを12ポイント課されたドライバーは、1レース出場停止となる。

Pole position trophy – シーズン中、最も多くPPを獲得した者に新しい賞が与えられる。同数のドライバーがいた場合は、この賞は二番グリッドが多かった者に与えられる。それでも同数だった場合、三番手が多かった方…と勝者が決まるまで比較を行う。

Scrabsさんの記事はこちら。

F1 2014: Finger Noses

2014 nose design
2014年ルールにノーズを理想的に適合させるためには、高さが増したシャシーの下に空気を流すために、同様にノーズも上げることが必要だった。しかしノーズの先端は低い形にして、適切な横断面が必要であった。クラッシュテストに合格するためには(※訳注:18.6にNose push off testという項目があるのでそれかと思います)ノーズが短すぎても、曲がりすぎていてもいけない上に、横断面を最小限にすれば、ノーズはシャシーから外に向かって先細りになるため、(事故の衝撃を減らすために)クラッシュしにくくなってしまう。この二つの必要条件を満たすために妥協点が必要であった。

レギュレーションを参照すれば、ストレートなソリューションは、ノーズの先端を(おそらく、地面から)185mmの高さになるまで単に低くすることだ。これによりシンプルで軽く、(事故の衝撃を減らすために)クラッシュしやすいノーズになるだろう。しかし、その幅と、下がった形は空力的にはよくない。ミニマムウエイトに適合させることに苦戦しない限りは、このような形状にするチームはいないようだ。

Finger nose
シンプルなロー・ノーズデザインが空力学的に有益であるということを無視すれば、明らかな結論に達する。二つの要求事項は、ノーズを二つのセクションに分けてしまう。上部のノーズは空力のため、下部のノーズは合法性とクラッシュ性能のため。これが、現実的なデザインソリューションとして「フィンガー」ノーズが出現した理由である。

(中略。要旨:「フィンガー」はセバスチャン・ベッテルの例の指に似ているため。「アリクイ」あるいは「ニードル」はもっと美しい形であり、2014年カーの目障りな実形状にそぐわないと考えるため、ふさわしくない。)

このデザインをもって我々は、先端からフロントのバルクヘッドを通る、メイン構造のエレメントを手に入れる。長くシンプルな形で、クラッシュ要件を満たし、ノーズの高さ/横断面のルールにも適合する。かつ、車両後方へ向けての空気の流れを助けるための最小限の横断面が低い位置にできる。更なるエアロ効率のため、ノーズ上部の形はくさび型になる。これで、高くなったシャシーの下により多くの空気を通せる。

上部の形は、デザイナーがフロントエンドをどのようにアレンジしたいかによるので、構造的である必要はない。よって、ノーズ上部は、ノーズ下部の長く細いクラッシュ構造に結合されたバニティパネル状にもなり得る。
※バニティパネル覚えてますか? 見た目上の段差をなくすために段差ノーズの上につけてもいいパネルです

この形状では、フロントウイングがノーズ下部に取り付けられる必要がある。密接なスペースと非常に短いパイロンを用いて。これは魅力的な提案だが、ノーズデザインは巨大な回転翼のようなウイングをマウントするパイロンの利点を失う。ケータハムがこのデザインを採用したようである。

シンプルなローノーズでもレースをすることはできる。重量やドラッグが重要なサーキットで、周囲のバニティパネルを外すかもしれない。

もう一方のデザインは、上部構造もくさび型にすることである。これはより複雑なデザインであり、クラッシュテストにおいてはノーズ上部に衝撃が与えられるため、クラッシュ構造は根元を薄く先端を厚くしなければならない。このソリューションは、複雑な形のためにより重量が重くなるだろう。

しかしこのデザインでは、フロントウイングを、より高く広いパイロンでマウントでき、空力的利益がある。フロントタイヤをシャシーから発生する乱気流と離し、フロントエンドにダウンフォースを生むために低い圧力を生み出す。
バニティパネル形状のノーズ上部では、フロントウイングのパイロンは非常に薄い構造にはつけられなかった。ウィリアムズとフォースインディアは後者の(バニティパネル状でない)構造を採用しているようである。

ファンから多く寄せられる質問に、Tボーンクラッシュにおいて、槍状のフィンガーノーズが、他の車両の側面に入り込まないか?というものがある。しかしノーズは、見た目は細いが、クラッシュテストに合格しており、2013年型ノーズのようにつぶれる。加えて、必要とされる横断面の面積は、フラットでオーバルな先端の2013年と変わっていない。モノコックの横側には侵入防止パネルがあり、私はこれを安全へのリスクとは考えない。

この辺で力尽きました。下に枕タイプなどの解説が続いてます

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